この章の学習目標

読み終えたら、できること。

  • 「記録と意味を分ける」の意味と理由を、具体例で説明できる
  • 「媒体は目的で選ぶ」の意味と理由を、具体例で説明できる
  • 「見えている範囲を疑う」の意味と理由を、具体例で説明できる

章内を一度に読まず、見出しごとに例を説明してから先へ進んでも大丈夫です。

この章の目次

WHY / なぜ学ぶ?

身近な「なぜ?」から。

「15」と書かれたメモだけでは、気温なのか人数なのか分かりません。同じ数字でも、意味を読み取るための文脈が必要です。情報の意味と、情報を運ぶ媒体を分けると、伝わらない理由やSNSで偏った見方になる理由も考えられます。

BIG PICTURE

この章の全体像をつかもう。

記録されたデータに文脈を与えると意味を読み取れます。その情報を経験と結び付け、行動の判断に使う知識へ整理できます。文字や画像などのメディアは、そのやり取りを支える方法です。何が届いたかと、どう解釈したかは同じではありません。

アプリ教材の単元原図

まず、図で全体像をつかもう。

図の見出しと、下の本文の見出しを対応させて読みましょう。原図には発展事項も含まれます。この章の確認範囲は本文と代表3問です。

アプリ教材の制作原図を加工せず掲載しています。図の文字コードの固定バイト数などは例で、方式により異なります。本文の条件と併せて確認しましょう。本文は2026年10月に整理したWeb用解説です。

THREE KEYS

まず押さえるのは、3つ。

章の細かい用語は、この3つの考え方に結び付けて読み進めましょう。

01

記録と意味を分ける

数字が同じでも、単位や対象が変われば意味が変わります。情報を読むときは何についての記録か確認します。

たとえば:15人と15℃は数字が同じでも、判断することが違います。

02

媒体は目的で選ぶ

文字は正確な条件、地図は位置、音声は発音など、それぞれに向く表現があります。動画が常に最善ではありません。

たとえば:待ち合わせ場所は住所だけでなく地図を添えると探しやすくなります。

03

見えている範囲を疑う

検索やおすすめはすべての意見を同じ割合で示すものではありません。発信者と選別の仕組みを考えます。

たとえば:好きな意見ばかりが表示されても、社会全体の支持率とはいえません。

THINK WITH A DIAGRAM

図を読みながら、考え方を追う。

Web用の補助図。アプリの原図を加工したものではなく、この章の具体例を説明するために作成しています。
違いと役割を比べよう
媒体向いている例注意する点
文字日付・条件・議事録曖昧な表現を避ける
画像位置・形・関係見られない場合の説明も
音声発音・目を使わない学習聞き直す場所を探しにくいことも

表が収まらない場合は横にスクロールできます。

1-1-1

データ・情報・知識の違い

データは、観測したことを数値・文字・記号などで記録したものです。たとえば「15」は、何の数字か分かりません。「今日の気温は15℃」と文脈が付くと、行動に役立つ情報になります。情報を経験と結び付け、判断に使える形にしたものを知識と捉えます。POSの販売記録も、商品コードや購入時刻を記録した段階と、時間帯別に集計して意味を読み取る段階を分けて考えましょう。

1-1-2

アナログとデジタル(離散化・量子化)

アナログは連続的な変化として、デジタルは離散的な値として表す考え方です。時計の針の位置と数字表示を比べるとイメージできます。デジタル化では細かさに限界があり、元の変化を完全に表せるとは限りません。一方、同じビット列を正しく複製できれば、コピーを重ねるだけで内容が劣化することはありません。

1-1-3

文字・画像・音声・動画の特徴

文字は用語や条件を正確に残すのに、画像は位置や形を示すのに向きます。音声は目を使わずに伝えられ、動画は動きの変化を見せられます。画像は縦と横の画素数を掛けて総画素数を求めます。144ppiで1辺1インチの正方形なら144×144=20,736画素です。辺の画素数と全体の画素数を区別しましょう。

1-1-4

メディアの長所と短所

媒体は目的と受け手に合わせて選びます。避難経路なら地図と短い文字、正確な日程なら文字と表、発音なら音声が有効です。動画が常に最適とは限らず、通信量や見直しやすさにも違いがあります。複数の媒体を組み合わせるときは、同じ情報を無秩序に重ねず、それぞれの役割を決めます。

1-1-5

検索結果とSNSの性質

検索結果やおすすめ欄は、世界の情報を均等に並べたものではありません。利用履歴に合う情報が選ばれて視野が狭まることをフィルタバブル、自分の考えを支持する情報ばかり重く見る傾向を確証バイアスといいます。発信元・日時・根拠を確かめ、異なる立場の一次情報にも当たりましょう。

重要語句を整理しよう。

この章で押さえる重要語句
語句意味混同しやすい点
データ事象を数値や文字などで記録したもの。対象や単位が分からない記録もある。
情報文脈の中で意味を読み取れるもの。同じ記録でも解釈が変わり得る。
知識情報を経験と結び付け、判断などに使える形にしたもの。記録の集積だけとは区別して考える。
メディア情報を表現・記録・伝達する媒体や方法。文字や画像などの特性を比較する。
文脈情報を解釈する背景や状況。送り手と受け手で違う場合がある。
確証バイアス自分の考えを支持する情報を重く見る傾向。情報の正しさを保証しない。

表が収まらない場合は横にスクロールできます。

WORKED EXAMPLE

一緒に解く:手順と理由を確かめよう。

「28」という温度の記録を友人へ送ります。行動の判断に使える情報にするには?

  1. 対象を「体育館の室温」と示します。
  2. 単位℃と測った日時を付けます。
  3. 何を知りたいかに合わせて場所などの条件も添えます。
  4. 暑いかどうかの感想と、測定した事実を分けます。
途中の値・条件を、表に残す
段階表現分かること
記録28数値
文脈付き体育館・12時・28℃対象・時刻・単位
判断換気の必要を考える目的に基づく活用

表が収まらない場合は横にスクロールできます。

「10月25日12時の体育館の室温は28℃」のように、意味を読み取る条件を付けます。

ここで間違えやすい。

TRY IT YOURSELF

次は、自分の言葉で。

「16人」と「16℃」の違いを伝えるには、数字以外の何が必要?

考え方と答えを確かめる

対象と単位です。数値16だけでなく、人数か温度かという文脈が必要です。

理由まで言えたら、下の代表3問へ進みましょう。

CHECK YOUR UNDERSTANDING

代表3問で、確かめよう。

アプリ収録の問題から3問を選定。章内のすべての項目を出題するものではありません。解答・解説はこのページで確認できます。

Q1 · 代表問題コンビニエンスストアの POS システムにおいて、商品が売れた瞬間に記録される「商品コード」「単価」「購入時刻」の組み合わせは、どの段階に該当するか。
考え方のヒント

記録したばかりの値と、分析して読み取った傾向を分けよう。

図解で考え方を見る解答を含みます+

対応するアプリ教材の原図を加工せず掲載。タップで全体を拡大できます。

Q2 · 代表問題ディスプレイ上で 1 辺 1 インチの正方形を、144ppi(pixels per inch)の解像度で表示している。この正方形を構成する全ピクセル数として正しいものはどれか。
考え方のヒント

一辺あたりの点の数を求めた後、縦と横を掛け合わせよう。

図解で考え方を見る解答を含みます+

対応するアプリ教材の原図を加工せず掲載。タップで全体を拡大できます。

Q3 · 代表問題フィルタバブルの環境下で、利用者が「自分が知りたい情報だけが正解である」と誤認してしまう心理的傾向を何と呼ぶか、最も適当なものを選べ。
考え方のヒント

自分の考えに合う証拠だけを選び、反対の証拠を無視していないか考えよう。

図解で考え方を見る解答を含みます+

対応するアプリ教材の原図を加工せず掲載。タップで全体を拡大できます。

解答・解説だけ読む

問1:D

POSシステムが商品の販売時に記録する「商品コード」「単価」「購入時刻」は、起きた事象をそのまま数字や記号に置き換えただけの未加工の記録なので「データ」に該当します。これを集計して「この店では夕方に弁当がよく売れる」と意味づけした段階が「情報」、さらに「夕方の弁当を増産すべきだ」という判断基準にまで高めたものが「知識」です。なお「メディア」は情報を伝える媒体を指す別の概念です。

問2:C

ppi は1インチあたりの画素数を表すので、144ppi では1インチの辺に 144 画素が並びます。正方形は縦にも横にも 144 画素あるため、総画素数は 144 × 144 = 20,736 です。144 とするのは1辺分しか数えていない誤り、288 は縦横を足してしまった誤り、576 は 144 × 4 と辺の数を掛けた誤りです。解像度は「面積あたり」で効いてくるため、値を2倍にすると画素数は4倍になる点も押さえておきましょう。

問3:D

確証バイアスとは、自分の先入観や仮説を裏づける情報ばかりを無意識に集め、それに反する情報を軽視したり見落としたりする心理的な傾向です。フィルタバブルによって好みの情報が優先表示される環境では、この傾向がいっそう強まり、「自分が見ている情報こそが正しい」という誤認につながります。テクノストレスは情報機器の利用による心身の負担、アクセシビリティは誰もが利用できる度合い、ユーザビリティは使いやすさを指す、いずれも別の概念です。

YOUR NEXT STEP

理解できたら、別の問題でも。

この章の考え方を、条件の違う問題でも確かめましょう。情報1アプリでは分野別の演習と間違えた問題の復習ができます。

無料でアプリを入手 iPhone・iPadはApp Store、AndroidはGoogle Playへ。PCではストアを選べます。運営者が開発するアプリです。各OSの機能と利用条件はストア掲載をご確認ください。

説明できたら、この章は完了。

  • 「記録と意味を分ける」の意味と理由を、具体例で説明できる
  • 「媒体は目的で選ぶ」の意味と理由を、具体例で説明できる
  • 「見えている範囲を疑う」の意味と理由を、具体例で説明できる

迷った項目は本文・図解・例題へ戻り、答えを見ずに説明し直してみましょう。

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出典・教材について

本サイトの26章は、アプリの分類を用いた補助教材です。検定教科書や公式の章立てではありません。問題と図解は運営者のアプリ教材から選定し、問題ID・選択肢・正答を保持しています。共通テスト過去問の転載ではありません。

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