この章の学習目標
読み終えたら、できること。
- 「基準を先に決める」の意味と理由を、具体例で説明できる
- 「一次情報と条件へ戻る」の意味と理由を、具体例で説明できる
- 「相関から原因を飛躍させない」の意味と理由を、具体例で説明できる
章内を一度に読まず、見出しごとに例を説明してから先へ進んでも大丈夫です。
この章の目次
WHY / なぜ学ぶ?
身近な「なぜ?」から。
「みんなが使っている」「利用者が増えた」という説明だけで、本当によい解決案だと判断できるでしょうか。比べる基準や情報の根拠が違えば結論も変わります。データから何が言えて、何がまだ言えないかを分ける練習をします。
BIG PICTURE
この章の全体像をつかもう。
案を同じ基準で比較し、根拠の信頼性を調べ、その根拠から結論を導けるか検討します。2つの値が一緒に変化しても原因だとは限らないため、別の要因や調査条件にも戻ります。
アプリ教材の単元原図
まず、図で全体像をつかもう。
図の見出しと、下の本文の見出しを対応させて読みましょう。原図には発展事項も含まれます。この章の確認範囲は本文と代表3問です。
アプリ教材の制作原図を加工せず掲載しています。図の文字コードの固定バイト数などは例で、方式により異なります。本文の条件と併せて確認しましょう。本文は2026年10月に整理したWeb用解説です。
THREE KEYS
まず押さえるのは、3つ。
章の細かい用語は、この3つの考え方に結び付けて読み進めましょう。
基準を先に決める
金額だけで選ぶと時間や負担を見落とします。目的に必要な効果とコストを整理します。
たとえば:費用1万円・準備10時間の案と、費用2万円・準備2時間の案を比べます。
一次情報と条件へ戻る
発信元・日時・調査対象を確認します。同じ情報の転載が多いことは、独立した証拠が多いこととは違います。
たとえば:100人の回答がどんな集団から集められたかを確認します。
相関から原因を飛躍させない
別の要因が両方を動かすこともあります。時間順序や説明できる仕組みを調べます。
たとえば:暑い日にアイスの売上と熱中症が増えても、アイスが原因とは限りません。
THINK WITH A DIAGRAM
図を読みながら、考え方を追う。
| 見たいこと | 確認する根拠 | 避けたい飛躍 |
|---|---|---|
| 情報の信頼性 | 発信元・日時・方法 | 転載が多いから真実 |
| 案の優劣 | 同じ評価基準 | 安いからすべて優れる |
| 原因 | 前後関係・別要因 | 相関があるから原因 |
表が収まらない場合は横にスクロールできます。
1-3-1
解決案の評価観点
解決案は効果だけでなく、費用・作業時間・必要な技術・実現可能性・他の人への影響でも比べます。金額が安くても、準備に毎日3時間かかれば運用できないかもしれません。評価基準と優先順位を先に決め、同じ基準で候補を比較します。満足度は効果の指標になり得ますが、支出や時間と同じ意味のコストではありません。
1-3-2
情報の信頼性
情報の信頼性は、発信者、根拠、更新日、調査対象、発信目的から確かめます。同じ文章でも受け手の経験や文脈で意味が変わるため、曖昧な表現や条件の省略に注意します。多くのサイトが同じことを書いていても、元の情報源が1つなら独立した裏付けが増えたとはいえません。
1-3-3
相関と因果の違い
相関は2つの量が一緒に変化する傾向、因果は一方が他方を変化させる関係です。アイスの売上と熱中症の件数が増えても、アイスが原因とは限りません。気温という共通要因を考えます。時間の前後、考えられる仕組み、他の条件をそろえた比較などを調べ、相関係数だけで原因を断定しないようにします。
重要語句を整理しよう。
| 語句 | 意味 | 混同しやすい点 |
|---|---|---|
| 評価基準 | 案を比較する観点。 | 目的に合うものを先に選ぶ。 |
| コスト | 実行に必要な費用・時間・手間など。 | 効果や満足度と分けて整理。 |
| 一次情報 | 当事者や元の調査などから直接得られる情報。 | 一次情報でも条件や方法の確認は必要。 |
| 相関 | 2つの量が一緒に変化する傾向。 | 原因と結果を直接証明しない。 |
| 因果関係 | 一方が他方を変化させる関係。 | 時間の順序や別要因も検討。 |
| 交絡 | 別の変数の影響が、調べたい関係に混ざること。 | 2変数だけでは関係を誤解する場合がある。 |
表が収まらない場合は横にスクロールできます。
WORKED EXAMPLE
一緒に解く:手順と理由を確かめよう。
傘の売上が多い日に渋滞も増えました。「傘が渋滞を起こす」といえますか。
- 確認したのは売上と渋滞が同時に増える傾向です。
- 雨が両方に関係する可能性を考えます。
- 雨量などの条件を分けて比べる方法を検討します。
- この観測だけでは原因を断定しません。
| 観測したこと | 候補の説明 | まだ言えないこと |
|---|---|---|
| 傘と渋滞が同時に増えた | 雨が両方に影響した可能性 | 傘を売ると渋滞が増える |
表が収まらない場合は横にスクロールできます。
相関から因果は断定できません。共通要因がないか検討します。
ここで間違えやすい。
TRY IT YOURSELF
次は、自分の言葉で。
複数のニュースサイトが同じ調査を引用。独立した調査の数も同じだけ増えた?
考え方と答えを確かめる
増えたとはいえません。元の調査が1つなら、転載数と独立した裏付けの数は別です。
理由まで言えたら、下の代表3問へ進みましょう。
CHECK YOUR UNDERSTANDING
代表3問で、確かめよう。
アプリ収録の問題から3問を選定。章内のすべての項目を出題するものではありません。解答・解説はこのページで確認できます。
解答・解説だけ読む
問1:C
解決策の評価に関連して言及されている「コスト」は、導入・運用コスト、作業の効率、手間、時間、そして必要な知識やスキル(習熟度)など、具体的かつ客観的に計測・予測可能なリソースが中心です。主観的で不確定な感情(達成感)は、科学的な評価観点としては不適当です。
問2:B
情報は「形がない」ため、やり取りにはメディアが媒介します。情報を受け取った各自が自分の経験や背景(コンテクスト)に基づいて解釈するため、人によって受け取り方が変わる可能性があります。この解釈のズレが情報の信頼性を判断する際の課題となります。「受け手全員が同じ意味として受け取ることが保証される」という記述は誤りです。「信頼性が常に一定に保たれる」という記述は情報の「消えない」特性との混同であり、「複製が困難」という記述は情報の「簡単に複製できる」特性と矛盾しています。
問3:D
散布図で点が直線上に並ぶ(相関が強い)ことは、因果関係を疑うきっかけにはなりますが、それ単体では因果関係の証明にはなりません。時間的前後関係、量反応関係、理論的整合性などは因果を推論するための重要な基準ですが、強い相関は「見かけ上の相関」でも発生するため不十分です。
理解できたら、別の問題でも。
この章の考え方を、条件の違う問題でも確かめましょう。情報1アプリでは分野別の演習と間違えた問題の復習ができます。
無料でアプリを入手 iPhone・iPadはApp Store、AndroidはGoogle Playへ。PCではストアを選べます。運営者が開発するアプリです。各OSの機能と利用条件はストア掲載をご確認ください。説明できたら、この章は完了。
- 「基準を先に決める」の意味と理由を、具体例で説明できる
- 「一次情報と条件へ戻る」の意味と理由を、具体例で説明できる
- 「相関から原因を飛躍させない」の意味と理由を、具体例で説明できる
迷った項目は本文・図解・例題へ戻り、答えを見ずに説明し直してみましょう。
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本サイトの26章は、アプリの分類を用いた補助教材です。検定教科書や公式の章立てではありません。問題と図解は運営者のアプリ教材から選定し、問題ID・選択肢・正答を保持しています。共通テスト過去問の転載ではありません。