この章の学習目標

読み終えたら、できること。

  • 「測定と判断を分ける」の意味と理由を、具体例で説明できる
  • 「大量でも偏りは残る」の意味と理由を、具体例で説明できる
  • 「使える条件も設計する」の意味と理由を、具体例で説明できる

章内を一度に読まず、見出しごとに例を説明してから先へ進んでも大丈夫です。

この章の目次

WHY / なぜ学ぶ?

身近な「なぜ?」から。

スマート農業では、畑のセンサ、AI、クラウドが登場します。全部を「AIがやる」と考えると、何が必要で、どこで誤りが起こるか分かりません。技術の役割と、便利さの裏で誰が取り残されるかを考えます。

BIG PICTURE

この章の全体像をつかもう。

センサが集めたデータをネットワークで送って蓄積し、分析結果を人や機器の行動へつなげます。その過程で個人情報や偏り、技術を使えない人への配慮が必要になります。技術の名前だけで効果を判断しません。

アプリ教材の単元原図

まず、図で全体像をつかもう。

図の見出しと、下の本文の見出しを対応させて読みましょう。原図には発展事項も含まれます。この章の確認範囲は本文と代表3問です。

アプリ教材の制作原図を加工せず掲載しています。図の文字コードの固定バイト数などは例で、方式により異なります。本文の条件と併せて確認しましょう。本文は2026年10月に整理したWeb用解説です。

THREE KEYS

まず押さえるのは、3つ。

章の細かい用語は、この3つの考え方に結び付けて読み進めましょう。

01

測定と判断を分ける

測定データに誤りや偏りがあると、分析結果も影響を受けます。

たとえば:温度を測るセンサと、生育を予測するAIは役割が違います。

02

大量でも偏りは残る

数が多いだけで全員を代表するとは限りません。集め方や欠けた対象を調べます。

たとえば:オンライン回答だけなら、利用しない人の意見が抜ける場合があります。

03

使える条件も設計する

端末・通信費・技能・支援の違いが、情報への機会の差につながります。

たとえば:オンライン申請に加え、相談窓口などの方法も考えます。

THINK WITH A DIAGRAM

図を読みながら、考え方を追う。

Web用の補助図。アプリの原図を加工したものではなく、この章の具体例を説明するために作成しています。
違いと役割を比べよう
役割技術の例点検すること
収集センサ・IoT測る対象と精度
蓄積クラウド権限と保存方法
判断AI・人の分析偏りと誤りの可能性

表が収まらない場合は横にスクロールできます。

1-6-1

AI・IoT・クラウドの特徴

IoTはモノをネットワークにつなぎ、センサで測った値などをやり取りする仕組みです。AIは認識や予測などに、クラウドはネットワーク越しの計算・保存などに使われます。農業なら、土壌センサで測る→データを蓄積する→生育を予測する、と役割を分けられます。AIの出力は誤ることがあり、データや利用目的に応じて確認が必要です。

1-6-2

ビッグデータ活用の利点と課題

大量のデータから傾向や関連を見つける手法にデータマイニングがあります。便利な予測につながる一方、偏ったデータからの判断や、個人の行動が過剰に追跡される問題もあります。データを集める目的、必要性、扱う権限を検討し、「たくさん集めれば正しい」と考えないようにします。

1-6-3

デジタルデバイド

デジタルデバイドは、環境や技能などの違いで情報技術を利用する機会や活用の度合いに格差が生まれることです。端末の有無だけでなく、通信環境、費用、読みやすさ、支援の有無も関係します。申請をオンラインだけにすると、利用できない人が取り残される場合があります。対面や電話などの代替手段も考えます。

重要語句を整理しよう。

この章で押さえる重要語句
語句意味混同しやすい点
IoTモノがネットワークにつながりデータをやり取りする仕組み。測定だけでなく制御へ使う場合もある。
AI認識や予測などの知的な処理を実現する技術。結果の正しさは別途確認する。
クラウドネットワーク越しに計算や保存などを利用する形態。データ収集や判断とは別の役割。
ビッグデータ多様で大量なデータなどを指す概念。量の多さだけで質は保証されない。
データマイニングデータから有用な関係や傾向を見いだす手法。収集や単なる修正とは別。
デジタルデバイド環境や技能などにより情報技術の利用に生まれる格差。端末の所有台数だけの差ではない。

表が収まらない場合は横にスクロールできます。

WORKED EXAMPLE

一緒に解く:手順と理由を確かめよう。

学校への申請をアプリだけにしました。利用できない家庭がある場合、何を調べますか。

  1. 端末や通信環境の有無を調べます。
  2. 操作方法を理解できるか、支援があるかも確認します。
  3. 必要な情報だけを聞き、利用できない理由を一括りにしません。
  4. 代替の申請方法や相談手段を検討します。
途中の値・条件を、表に残す
観点確認例対策の例
環境通信費や端末代替窓口
技能操作の理解案内や相談
読みやすさ言語や表示表示・説明の改善

表が収まらない場合は横にスクロールできます。

普及台数だけで判断せず、利用の機会と実際に使える条件を確認します。

ここで間違えやすい。

TRY IT YOURSELF

次は、自分の言葉で。

オンラインで回答できた人だけの大量データなら、全員を代表する?

考え方と答えを確かめる

代表するとは限りません。利用できない人や回答しなかった人の偏りが残ります。

理由まで言えたら、下の代表3問へ進みましょう。

CHECK YOUR UNDERSTANDING

代表3問で、確かめよう。

アプリ収録の問題から3問を選定。章内のすべての項目を出題するものではありません。解答・解説はこのページで確認できます。

Q1 · 代表問題農林水産省が推進する「スマート農業」において、IoT、AI、クラウドが果たす役割の組み合わせとして最も適切なものはどれか。
考え方のヒント

測る、予測する、保存して共有するという三つの役割に分けよう。

図解で考え方を見る解答を含みます+

対応するアプリ教材の原図を加工せず掲載。タップで全体を拡大できます。

Q2 · 代表問題膨大なデータ群から統計学や言語学などの手法を用いて、データ相互の関係や有用な知見を見出す技術を指す用語として、最も適当なものはどれか。
考え方のヒント

膨大な記録を、役立つ傾向や関係の発見へつなげる処理を考えよう。

図解で考え方を見る解答を含みます+

対応するアプリ教材の原図を加工せず掲載。タップで全体を拡大できます。

Q3 · 代表問題情報技術の発展がもたらす「影」の側面としてのデジタルデバイドの影響について、最も適切なものを選びなさい。
考え方のヒント

情報を得られないことが、手続きや学習の機会へどう影響するか考えよう。

図解で考え方を見る解答を含みます+

対応するアプリ教材の原図を加工せず掲載。タップで全体を拡大できます。

解答・解説だけ読む

問1:A

スマート農業では、センシング技術(IoT)で圃場データを収集し、過去のデータ(AI)を分析して多収・高品質生産を実現し、それらをクラウドシステムで提供・共有することで、超省力化や高品質生産を目指します。クラウドはデータの保存や管理の場として機能し、AIは判断や予測を、IoTはデータの入り口と出口を担当します。

問2:B

製造、流通、医療などの様々な分野で収集される膨大なデータを統計学や言語学といった科学的手法により分析し、有用な知見を見出すことはデータマイニングと呼ばれます。データクリーニングはデータの不備を修正する作業、データスクレイピングはWebサイトから情報を抽出する技術を指し、これらは知見を得る前段階の処理に相当します。ビッグデータ活用においては、単なる集計を超えて未知の相関関係を発見する工程が極めて重要です。

問3:A

情報技術は生活を豊かにする一方で、情報格差(デジタルデバイド)などの「負の面」も生み出しています。情報の特性(形がない、消えない等)を理解し、適切に扱う力が求められており、格差によって「新しい情報を手に入れる機会や量」が変わることは、社会の問題解決に主体的に参画する力に影響を及ぼすとされています。

YOUR NEXT STEP

理解できたら、別の問題でも。

この章の考え方を、条件の違う問題でも確かめましょう。情報1アプリでは分野別の演習と間違えた問題の復習ができます。

無料でアプリを入手 iPhone・iPadはApp Store、AndroidはGoogle Playへ。PCではストアを選べます。運営者が開発するアプリです。各OSの機能と利用条件はストア掲載をご確認ください。

説明できたら、この章は完了。

  • 「測定と判断を分ける」の意味と理由を、具体例で説明できる
  • 「大量でも偏りは残る」の意味と理由を、具体例で説明できる
  • 「使える条件も設計する」の意味と理由を、具体例で説明できる

迷った項目は本文・図解・例題へ戻り、答えを見ずに説明し直してみましょう。

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出典・教材について

本サイトの26章は、アプリの分類を用いた補助教材です。検定教科書や公式の章立てではありません。問題と図解は運営者のアプリ教材から選定し、問題ID・選択肢・正答を保持しています。共通テスト過去問の転載ではありません。

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