この章の学習目標

読み終えたら、できること。

  • 「目的に不要な情報を減らす」の意味と理由を、具体例で説明できる
  • 「探し方に合う順序を選ぶ」の意味と理由を、具体例で説明できる
  • 「利用場面で試す」の意味と理由を、具体例で説明できる

章内を一度に読まず、見出しごとに例を説明してから先へ進んでも大丈夫です。

この章の目次

WHY / なぜ学ぶ?

身近な「なぜ?」から。

文化祭の案内に全部の情報を同じ大きさで載せると、必要な場所を探せるでしょうか。情報デザインは飾り付けより前に、誰が何を探すかを考える仕事です。整理の基準と利用場面を結び付けましょう。

BIG PICTURE

この章の全体像をつかもう。

必要な情報を選び、分類や順序を決め、まとまりと関係を伝える構造を作ります。ペルソナとシナリオは利用者の目的を具体化する道具で、作り手の想像を事実扱いするためのものではありません。

アプリ教材の単元原図

まず、図で全体像をつかもう。

図の見出しと、下の本文の見出しを対応させて読みましょう。原図には発展事項も含まれます。この章の確認範囲は本文と代表3問です。

アプリ教材の制作原図を加工せず掲載しています。図の文字コードの固定バイト数などは例で、方式により異なります。本文の条件と併せて確認しましょう。本文は2026年10月に整理したWeb用解説です。

THREE KEYS

まず押さえるのは、3つ。

章の細かい用語は、この3つの考え方に結び付けて読み進めましょう。

01

目的に不要な情報を減らす

全部を載せると大切な情報が埋もれます。省く前に必要条件を判断します。

たとえば:来校者の案内なら担当者の内部作業メモより場所や時間が重要です。

02

探し方に合う順序を選ぶ

位置・文字順・時間・カテゴリ・連続量などの整理方法を使い分けます。

たとえば:次の催しを探すなら時間順、近い教室を探すなら位置が役立ちます。

03

利用場面で試す

属性だけでなく、何をしたいときにどう操作するかを考えます。

たとえば:初めての来校者が片手のスマートフォンで道順を探す場面を試します。

THINK WITH A DIAGRAM

図を読みながら、考え方を追う。

Web用の補助図。アプリの原図を加工したものではなく、この章の具体例を説明するために作成しています。
違いと役割を比べよう
利用者の問い整理の基準表現の例
次は何時?時間時刻表
近い教室は?位置会場図
音楽の催しは?カテゴリ分野別一覧

表が収まらない場合は横にスクロールできます。

2-3-1

情報の取捨選択

目的に必要な情報を残し、関連するものをまとめます。整理の観点には位置・アルファベットなどの順序・時間・カテゴリ・連続量があります。校内案内なら場所別、行事予定なら時間順が探しやすいでしょう。重要だからと何でも目立たせると、結局どれも見つけにくくなります。

2-3-2

受け手の属性を想定

受け手の知識、使う場面、困りごとを調べて情報の粒度を決めます。初めて来る人には正式な場所と道順が必要でも、常連には変更点だけで足りるかもしれません。履歴に合う情報だけを選ぶ設計は便利ですが、フィルタバブルにつながる場合もあります。受け手が別の情報を探せる道も残します。

2-3-3

ペルソナとシナリオ

ペルソナは調査をもとにした具体的な利用者像、シナリオはその人が目的を達成する場面や行動の記述です。「誰でも使いやすい」だけで済ませず、通学中に片手で確認するなどの状況を描きます。価値、活動の文脈、画面上の具体的な操作を分けて考えると、便利な機能と本当に必要な機能を区別できます。

重要語句を整理しよう。

この章で押さえる重要語句
語句意味混同しやすい点
情報の選択目的に必要な情報を選ぶこと。無条件に短くすることではない。
構造化項目のまとまりや関係を整理して示すこと。単なる一覧とは違う。
カテゴリ性質が似たものによる分類。時間順など他の基準と区別。
階層上位・下位や大小などの構造。見出しや配置で関係を示す。
ペルソナ調査に基づく具体的な利用者像。作り手の理想像だけで作らない。
シナリオ利用場面と目的・行動を記述したもの。具体的な画面操作まで分けて考えられる。

表が収まらない場合は横にスクロールできます。

WORKED EXAMPLE

一緒に解く:手順と理由を確かめよう。

催し一覧を教室番号だけで並べました。「今から参加できるもの」を探す人へ何を補いますか。

  1. 目的は場所だけでなく開始時刻の確認です。
  2. 時刻順や開催中の表示を追加します。
  3. 場所の情報も失わないよう会場図へつなげます。
  4. 実際に1件探してもらい、迷う箇所を確認します。
途中の値・条件を、表に残す
現状不足改善
教室番号順のみ時刻を1件ずつ読まないと分からない時刻順の一覧を用意
時刻表のみ会場への行き方会場図へ関連付け

表が収まらない場合は横にスクロールできます。

時刻から探せる入口を加え、場所の情報と対応させます。

ここで間違えやすい。

TRY IT YOURSELF

次は、自分の言葉で。

催しを「次に始まる順」に探すなら、どの整理基準?

考え方と答えを確かめる

時間です。近い会場を探す位置による整理とは目的が違います。

理由まで言えたら、下の代表3問へ進みましょう。

CHECK YOUR UNDERSTANDING

代表3問で、確かめよう。

アプリ収録の問題から3問を選定。章内のすべての項目を出題するものではありません。解答・解説はこのページで確認できます。

Q1 · 代表問題情報を整理・選択する際の基準としてリチャード・ソール・ワーマンが提唱した「究極の5個の帽子掛け」に含まれないものはどれか。
考え方のヒント

位置・文字順・時間・分類・連続量という整理の基準を思い出そう。

図解で考え方を見る解答を含みます+

対応するアプリ教材の原図を加工せず掲載。タップで全体を拡大できます。

Q2 · 代表問題インターネットの検索アルゴリズムやSNSにおいて、受け手の過去の行動特性や属性に合わせて情報が選別されることで、受け手の観測範囲が狭くなる現象を何と呼ぶか。
考え方のヒント

過去の好みに沿った選別が、出会う情報の幅へどう影響するか考えよう。

図解で考え方を見る解答を含みます+

対応するアプリ教材の原図を加工せず掲載。タップで全体を拡大できます。

Q3 · 代表問題構造化シナリオ法において、最も具体的な操作レベルを扱う「インタラクションシナリオ」の説明として、最も適切なものはどれか。
考え方のヒント

ボタンを押す、画面が変わるなど、具体的なやり取りの段階を考えよう。

図解で考え方を見る解答を含みます+

対応するアプリ教材の原図を加工せず掲載。タップで全体を拡大できます。

解答・解説だけ読む

問1:A

情報を整理する基準は「位置(Location)」「アルファベット(Alphabet)」「時間(Time)」「カテゴリ(Category)」「連続量(Hierarchy)」の5つ(LATCH)しかないとされています。重要度は状況や人によって変化するため、普遍的な整理の基準としてはこれら5つの中に含まれていません。

問2:B

近年の検索技術の向上により、個人の属性や嗜好に最適化された情報が表示される一方で、自分が見たい情報だけに囲まれ、多様な視点に触れる機会が失われる「フィルタバブル」が指摘されています。これは送り手(アルゴリズム側)が受け手の属性を過度に想定・追従した結果とも言え、情報を受け取る側にも批判的な検証姿勢が求められています。

問3:D

「インタラクションシナリオ」は、構造化シナリオ法の中で最も詳細な段階であり、ユーザの具体的な行動やシステムとの操作的なやり取りを記述します。例えば「検索機能を使って部活動名を入力し、結果が表示される」といった、具体的なUI(ユーザインタフェース)を介したやり取りがこれに含まれます。これは後のプロトタイプ作成に直接つながる情報となります。

YOUR NEXT STEP

理解できたら、別の問題でも。

この章の考え方を、条件の違う問題でも確かめましょう。情報1アプリでは分野別の演習と間違えた問題の復習ができます。

無料でアプリを入手 iPhone・iPadはApp Store、AndroidはGoogle Playへ。PCではストアを選べます。運営者が開発するアプリです。各OSの機能と利用条件はストア掲載をご確認ください。

説明できたら、この章は完了。

  • 「目的に不要な情報を減らす」の意味と理由を、具体例で説明できる
  • 「探し方に合う順序を選ぶ」の意味と理由を、具体例で説明できる
  • 「利用場面で試す」の意味と理由を、具体例で説明できる

迷った項目は本文・図解・例題へ戻り、答えを見ずに説明し直してみましょう。

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出典・教材について

本サイトの26章は、アプリの分類を用いた補助教材です。検定教科書や公式の章立てではありません。問題と図解は運営者のアプリ教材から選定し、問題ID・選択肢・正答を保持しています。共通テスト過去問の転載ではありません。

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