この章の学習目標

読み終えたら、できること。

  • 「一問で一つのことを聞く」の意味と理由を、具体例で説明できる
  • 「母集団と標本を対応させる」の意味と理由を、具体例で説明できる
  • 「必要な粒度と負担を考える」の意味と理由を、具体例で説明できる

章内を一度に読まず、見出しごとに例を説明してから先へ進んでも大丈夫です。

この章の目次

WHY / なぜ学ぶ?

身近な「なぜ?」から。

全校生徒の意見を知りたいのに、仲のよい友人だけに聞いていませんか。回答数が多くても、集め方が偏れば全体を正しく表さない場合があります。質問の言葉と、誰を選ぶかの両方が結果へ影響します。

BIG PICTURE

この章の全体像をつかもう。

目的→質問の設計→対象の抽出→回答の収集→偏りの確認、という順で考えます。調査の標本は人や対象の一部、音声の標本化は時間ごとの値の抽出で、この章では特に調査の設計へ焦点を当てます。

アプリ教材の単元原図

まず、図で全体像をつかもう。

図の見出しと、下の本文の見出しを対応させて読みましょう。原図には発展事項も含まれます。この章の確認範囲は本文と代表3問です。

アプリ教材の制作原図を加工せず掲載しています。図の文字コードの固定バイト数などは例で、方式により異なります。本文の条件と併せて確認しましょう。本文は2026年10月に整理したWeb用解説です。

THREE KEYS

まず押さえるのは、3つ。

章の細かい用語は、この3つの考え方に結び付けて読み進めましょう。

01

一問で一つのことを聞く

操作性とデザインを同時に聞くと、どちらに同意したか分かりません。誘導や二重否定も避けます。

たとえば:「便利で見やすいですか」を「使いやすさ」と「見やすさ」に分けます。

02

母集団と標本を対応させる

全校の傾向を知りたいなら、特定の部だけに偏らない選び方を考えます。

たとえば:図書委員の意見を、そのまま全校生徒の意見とはみなしません。

03

必要な粒度と負担を考える

詳しい数値は後から分類できますが、必要以上の個人情報は集めません。

たとえば:年齢の実数が必要か、年代だけで目的を果たせるかを判断します。

THINK WITH A DIAGRAM

図を読みながら、考え方を追う。

Web用の補助図。アプリの原図を加工したものではなく、この章の具体例を説明するために作成しています。
違いと役割を比べよう
設計問題の例改善
質問文専門家も賛成する案はよい?特定の価値観へ誘導しない
一問の範囲便利で安全?便利さと安全性を分ける
回答者特定の部活動だけ母集団に合う抽出を考える

表が収まらない場合は横にスクロールできます。

4-3-1

アンケート設計

調査の目的を決めてから、必要な質問を作ります。「便利で安全なアプリだと思いますか」のように複数の内容を1問で聞くと、何を評価したか分かりません。年齢を具体的な数値で集めれば後から年代に分けられますが、目的に不要な詳細情報まで集めるべきではありません。自由記述は理由を集めやすい一方、分類や文脈を踏まえた読み取りが必要です。

4-3-2

サンプリング

標本調査は、調べたい集団(母集団)の一部を取り出して調べる方法です。全校生徒が対象なら、特定の部活動だけで聞いた結果を全校の傾向とみなすのは危険です。無作為抽出でも標本誤差は生じ得ます。人数の割合だけで精度が決まるわけではなく、抽出方法や無回答の偏りも確認します。音声の標本化と同じ言葉が使われても、ここでは調査対象の抽出を扱います。

重要語句を整理しよう。

この章で押さえる重要語句
語句意味混同しやすい点
母集団調査で知りたい対象全体。実際の回答者だけとは限らない。
標本母集団から取り出した一部の対象。抽出方法で偏り得る。
無作為抽出偶然の仕組みを用いて対象を選ぶ方法。誤差が0になるわけではない。
標本誤差一部を調べることで生じる変動。質問の誘導など別の偏りと区別。
選択式用意した選択肢から回答する方法。抜けや重複を点検する。
自由記述自分の言葉で答えてもらう方法。文脈を踏まえた整理が必要。

表が収まらない場合は横にスクロールできます。

WORKED EXAMPLE

一緒に解く:手順と理由を確かめよう。

100人の全校調査で、回答者がすべて同じ学年でした。何を確かめますか。

  1. 母集団は全校か、その学年だけかを確認します。
  2. 抽出した方法と回答のあった方法を分けて調べます。
  3. 他学年の意見が抜けた影響を検討します。
  4. 回答100件だけを根拠に全校の傾向を断定しません。
途中の値・条件を、表に残す
集団例確認
母集団全校生徒知りたい対象
標本選んだ100人どのように選んだか
回答者回答した人無回答による偏りはないか

表が収まらない場合は横にスクロールできます。

人数だけでなく、対象と集め方を確認します。

ここで間違えやすい。

TRY IT YOURSELF

次は、自分の言葉で。

全校の意見を知りたいのに、同じ部活動だけに聞く問題点は?

考え方と答えを確かめる

対象の選び方が偏っています。人数を増やすだけでなく、母集団との対応を考えます。

理由まで言えたら、下の代表3問へ進みましょう。

CHECK YOUR UNDERSTANDING

代表3問で、確かめよう。

アプリ収録の問題から3問を選定。章内のすべての項目を出題するものではありません。解答・解説はこのページで確認できます。

Q1 · 代表問題回答者から「年齢」という情報を収集する際、分析の柔軟性を最も高く保つことができる設計はどれか。
考え方のヒント

集めた数値は後で区分できるが、区分から元の数値に戻せるだろうか。

図解で考え方を見る解答を含みます+

対応するアプリ教材の原図を加工せず掲載。タップで全体を拡大できます。

Q2 · 代表問題ある高校の全生徒(1,000人)のスマートフォンの利用実態を調査するため、無作為に抽出した100人を対象にアンケート(標本調査)を行った。この設計において留意すべき点として、最も適切なものはどれか。
考え方のヒント

人数だけでなく、全体の特徴が偏らず反映される選び方か考えよう。

図解で考え方を見る解答を含みます+

対応するアプリ教材の原図を加工せず掲載。タップで全体を拡大できます。

Q3 · 代表問題アンケートにおける質問文の作成において、回答の結果に偏り(バイアス)を生じさせないための留意点として、最も適切なものはどれか。
考え方のヒント

質問の言い方が、特定の答えへ誘導していないか確認しよう。

図解で考え方を見る解答を含みます+

対応するアプリ教材の原図を加工せず掲載。タップで全体を拡大できます。

解答・解説だけ読む

問1:B

年齢を具体的な数値で収集すると、比例尺度として扱えます。数値データであれば、後から「10代」「20代」といったカテゴリに変換(水準化)することは容易ですが、最初からカテゴリで収集してしまうと、後から詳細な平均値を計算したりすることはできません。分析の目的や自由度を考慮すると、数値での収集が最も有用です。

問2:D

標本調査の目的は、標本データから母集団(全生徒)の特性を推測することです。抽出に偏りがあると、全生徒の傾向を正しく代表できなくなります。そのため、無作為抽出を行い、得られた結果が偶然のばらつきの範囲内か、統計的な手法を用いて慎重に評価する必要があります。

問3:D

アンケート設計では、問いの内容や選択肢の設定によって結果が大きく変わる可能性があるため、中立性が極めて重要です。特定の立場を強調するような導入文や、一度に二つのことを聞くダブルバーレル質問は、回答者がどちらに同意したのか判別できなくなり、科学的な根拠としての信頼性を損ないます。

YOUR NEXT STEP

理解できたら、別の問題でも。

この章の考え方を、条件の違う問題でも確かめましょう。情報1アプリでは分野別の演習と間違えた問題の復習ができます。

無料でアプリを入手 iPhone・iPadはApp Store、AndroidはGoogle Playへ。PCではストアを選べます。運営者が開発するアプリです。各OSの機能と利用条件はストア掲載をご確認ください。

説明できたら、この章は完了。

  • 「一問で一つのことを聞く」の意味と理由を、具体例で説明できる
  • 「母集団と標本を対応させる」の意味と理由を、具体例で説明できる
  • 「必要な粒度と負担を考える」の意味と理由を、具体例で説明できる

迷った項目は本文・図解・例題へ戻り、答えを見ずに説明し直してみましょう。

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出典・教材について

本サイトの26章は、アプリの分類を用いた補助教材です。検定教科書や公式の章立てではありません。問題と図解は運営者のアプリ教材から選定し、問題ID・選択肢・正答を保持しています。共通テスト過去問の転載ではありません。

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