この章の学習目標

読み終えたら、できること。

  • 「計算前に意味をそろえる」の意味と理由を、具体例で説明できる
  • 「一意に識別するキーを使う」の意味と理由を、具体例で説明できる
  • 「欠損と0、外れ値と誤りを分ける」の意味と理由を、具体例で説明できる

章内を一度に読まず、見出しごとに例を説明してから先へ進んでも大丈夫です。

この章の目次

WHY / なぜ学ぶ?

身近な「なぜ?」から。

空欄を0と入力したら平均点が下がりました。空欄は0点だったのでしょうか。集計前の整理が違うと、計算式が正しくても結論が変わります。数式、データの識別、欠損と外れ値を分けて確認します。

BIG PICTURE

この章の全体像をつかもう。

入力や単位を点検し、行を識別するキーを決め、欠損や外れた値の原因を調べてから集計します。データを直した場合は、元の値と処理理由を残せるようにします。

アプリ教材の単元原図

まず、図で全体像をつかもう。

図の見出しと、下の本文の見出しを対応させて読みましょう。原図には発展事項も含まれます。この章の確認範囲は本文と代表3問です。

アプリ教材の制作原図を加工せず掲載しています。図の文字コードの固定バイト数などは例で、方式により異なります。本文の条件と併せて確認しましょう。本文は2026年10月に整理したWeb用解説です。

THREE KEYS

まず押さえるのは、3つ。

章の細かい用語は、この3つの考え方に結び付けて読み進めましょう。

01

計算前に意味をそろえる

単位や対象が混ざったまま合計すると、正しい式でも意味のない値になります。

たとえば:cmとmの数値を同じ列で足さず、まず単位を統一します。

02

一意に識別するキーを使う

氏名は重なることがあります。主キーは各行を区別でき、重複やNULLを認めません。

たとえば:同姓同名でも学生番号が違えば別の学生として管理できます。

03

欠損と0、外れ値と誤りを分ける

未回答を0と同一視せず、離れた値も原因を調べます。

たとえば:実際に大きな売上の日を、見た目だけで削除しないようにします。

THINK WITH A DIAGRAM

図を読みながら、考え方を追う。

Web用の補助図。アプリの原図を加工したものではなく、この章の具体例を説明するために作成しています。
違いと役割を比べよう
状態意味注意
0測定・得点が0実際の値として使う
欠損値がない原因を調べる
外れ値他と離れた値誤りか現象かを確認

表が収まらない場合は横にスクロールできます。

4-4-1

表計算の基本

表計算ではセルに値や数式を入れ、集計します。=SUM(B2:B6)はB2〜B6の合計です。相対参照はコピー先に合わせて参照が動き、B1のような絶対参照は固定します。計算式が正しくても、単位の混在や入力ミスがあれば結果は誤ります。分布の確認には、5数要約を表す箱ひげ図なども使えます。

4-4-2

データベース(主キー)

データベースはデータを整理して管理する仕組みです。表形式では行がレコード、列が項目です。主キーは各行を一意に識別し、重複やNULLを認めません。学生番号が主キーなら、同じ学生番号の行は追加できません。氏名は同姓同名があるため、そのまま一意と決めつけないようにします。

4-4-3

欠損値・外れ値

欠損値は値が記録されていない状態、外れ値は他から大きく離れた値です。欠損を0に置き換えると、未回答を0点と解釈する誤りになります。外れ値も入力ミスとは限らず、実際の重要な現象かもしれません。元の記録、単位、計測条件を調べ、除外や補完をしたら理由を残します。

重要語句を整理しよう。

この章で押さえる重要語句
語句意味混同しやすい点
セル参照表計算でセルを指定すること。コピー先で動く相対参照と固定する絶対参照を区別。
レコード表形式データの1行に対応する記録。列の項目とは別。
主キー各行を一意に識別する項目または組合せ。重複・NULLを認めない。
NULL値がないことなどを表す状態。数値0と同じ意味ではない。
欠損値必要な値が記録されていない状態。原因と扱い方を確認する。
外れ値他の値から大きく離れた値。入力ミスとは限らない。
5数要約最小・第1四分位・中央値・第3四分位・最大による要約。箱ひげ図の表し方は方式も確認する。

表が収まらない場合は横にスクロールできます。

WORKED EXAMPLE

一緒に解く:手順と理由を確かめよう。

80・空欄・100の3件を、空欄を0として平均する場合と、空欄を除く場合で比較しましょう。

  1. 0補完では80+0+100=180、3件で割り60です。
  2. 除外では80+100=180、2件で割り90です。
  3. 同じ元データでも扱いで結果が変わります。
  4. 空欄の原因と目的を調べ、処理方法と件数を明示します。
途中の値・条件を、表に残す
扱い計算平均
0に置換180÷360
対象から除外180÷290

表が収まらない場合は横にスクロールできます。

60と90になります。どちらを使うかを計算の都合だけで決めないことが重要です。

ここで間違えやすい。

TRY IT YOURSELF

次は、自分の言葉で。

外れ値は必ず入力ミスなので消してよい?

考え方と答えを確かめる

消してよいとは限りません。実際の現象か誤りか、元の記録や単位を確認します。

理由まで言えたら、下の代表3問へ進みましょう。

CHECK YOUR UNDERSTANDING

代表3問で、確かめよう。

アプリ収録の問題から3問を選定。章内のすべての項目を出題するものではありません。解答・解説はこのページで確認できます。

Q1 · 代表問題表計算ソフトウェアで算出した統計量(5数要約)に基づき、データの分布を視覚化したい。最小値、第1四分位数、中央値、第3四分位数、最大値の5つの値を一度に表現できる図として紹介されているものはどれか。
考え方のヒント

中央だけでなく、上下の区切りと範囲を一度に表す図を考えよう。

図解で考え方を見る解答を含みます+

対応するアプリ教材の原図を加工せず掲載。タップで全体を拡大できます。

Q2 · 代表問題「学生テーブル(学生番号, 氏名, 学部)」において、「学生番号」を主キーとして定義し、新しいデータを追加するSQL文を実行しようとしている。このとき、エラーが発生する可能性が最も高い操作はどれか。
考え方のヒント

追加する行の識別子が、既存の行と衝突しないか考えよう。

図解で考え方を見る解答を含みます+

対応するアプリ教材の原図を加工せず掲載。タップで全体を拡大できます。

Q3 · 代表問題数万件の大規模なデータセットにおいて、個々のデータの外れ値や集中度を視覚的に把握するのに最も適した手法はどれか。
考え方のヒント

一つずつの値より、分布の広がりと極端な値をまとめて見よう。

図解で考え方を見る解答を含みます+

対応するアプリ教材の原図を加工せず掲載。タップで全体を拡大できます。

解答・解説だけ読む

問1:C

データの個数を4等分する「四分位数」と、それに最小値・最大値を加えた「5つの位置統計量(5数要約)」を図示する方法として「箱ひげ図」が挙げられます。箱ひげ図は分布の中心傾向(箱の部分)と裾(ひげの部分)を視覚化し、複数の分布の比較に適しています。ヒストグラムは度数分布、散布図は2変量の相関を見るための図です。

問2:D

主キーには「一意性制約」があるため、既に存在する「学生番号」と同じ番号でデータを追加しようとすると、重複エラーが発生して拒否されます。 「氏名」の重複は(同姓同名の可能性があるため)主キーでなければ許容されます。 また、主キー以外のフィールド(学部など)に制約がなければNULLの登録も可能です。

問3:A

大規模なデータ(ビッグデータ)では、単に表を眺めるだけでは傾向が掴めません。数万件のダイヤモンドデータを用いた散布図の例が示されており、点が重なりすぎて集中度が分からない場合は、描画を工夫することで問題や特徴を発見できるとされています。散布図は、2変数間の関係性とともに、そこから外れた個別の値(外れ値)を視覚的に捉えるのに非常に有効です。

YOUR NEXT STEP

理解できたら、別の問題でも。

この章の考え方を、条件の違う問題でも確かめましょう。情報1アプリでは分野別の演習と間違えた問題の復習ができます。

無料でアプリを入手 iPhone・iPadはApp Store、AndroidはGoogle Playへ。PCではストアを選べます。運営者が開発するアプリです。各OSの機能と利用条件はストア掲載をご確認ください。

説明できたら、この章は完了。

  • 「計算前に意味をそろえる」の意味と理由を、具体例で説明できる
  • 「一意に識別するキーを使う」の意味と理由を、具体例で説明できる
  • 「欠損と0、外れ値と誤りを分ける」の意味と理由を、具体例で説明できる

迷った項目は本文・図解・例題へ戻り、答えを見ずに説明し直してみましょう。

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出典・教材について

本サイトの26章は、アプリの分類を用いた補助教材です。検定教科書や公式の章立てではありません。問題と図解は運営者のアプリ教材から選定し、問題ID・選択肢・正答を保持しています。共通テスト過去問の転載ではありません。

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