この章の学習目標
読み終えたら、できること。
- 「中心と散らばりを一緒に見る」の意味と理由を、具体例で説明できる
- 「分母とグループを確認する」の意味と理由を、具体例で説明できる
- 「関係を原因と言い換えない」の意味と理由を、具体例で説明できる
章内を一度に読まず、見出しごとに例を説明してから先へ進んでも大丈夫です。
この章の目次
WHY / なぜ学ぶ?
身近な「なぜ?」から。
クラスの平均点が上がれば、全員の点数が上がったといえるでしょうか。少数の大きな値が平均を動かしたのかもしれません。代表値と分布、全体とグループ、相関と因果を分けて読みます。
BIG PICTURE
この章の全体像をつかもう。
目的に合わせて集計し、グラフで分布や関係を確かめ、代表値や相関係数で特徴を要約します。要約は元の細部を省くため、最後に分布や対象条件へ戻り、結論を言い過ぎていないか確認します。
アプリ教材の単元原図
まず、図で全体像をつかもう。
図の見出しと、下の本文の見出しを対応させて読みましょう。原図には発展事項も含まれます。この章の確認範囲は本文と代表3問です。
アプリ教材の制作原図を加工せず掲載しています。図の文字コードの固定バイト数などは例で、方式により異なります。本文の条件と併せて確認しましょう。本文は2026年10月に整理したWeb用解説です。
THREE KEYS
まず押さえるのは、3つ。
章の細かい用語は、この3つの考え方に結び付けて読み進めましょう。
中心と散らばりを一緒に見る
平均が同じでも分布は違います。大きな値の影響を受けにくい中央値なども比べます。
たとえば:1・2・2・3・12の平均は4、中央値は2。中心の印象が違います。
分母とグループを確認する
件数だけの比較は集団の人数の違いを隠します。必要なら層別して割合を比べます。
たとえば:20人中10人と100人中30人では、人数と割合で見方が変わります。
関係を原因と言い換えない
散布図や相関係数は関係を調べる道具ですが、因果を直接証明しません。
たとえば:交絡因子が両方に影響する場合があり、条件を分けた比較が必要です。
THINK WITH A DIAGRAM
図を読みながら、考え方を追う。
| 指標 | この例での値 | 何が分かるか |
|---|---|---|
| 平均値 | 4 | 合計を均した位置 |
| 中央値 | 2 | 並べた中央 |
| 最頻値 | 2 | 最も多い値 |
| 元の分布 | 1・2・2・3・12 | 12が他から離れている |
表が収まらない場合は横にスクロールできます。
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集計方法
集計する前に「何を比較したいか」を決めます。全体の平均だけでなく、学年や地域ごとに分ける層別で違いが見えることがあります。人数が違う集団では件数だけでなく割合も比べます。割合には分母が必要で、10人中8人と1,000人中800人は同じ80%でも調査の規模が違います。
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グラフの読み取り
グラフでは軸、単位、目盛り、期間、対象を先に読みます。棒グラフの縦軸を途中から始めると、差が大きく見えることがあります。散布図は2つの量を組として表し、点の広がりや離れた点を確認します。見た目の印象だけでなく、元の数値や条件にも戻りましょう。
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代表値
平均値は合計÷個数、中央値は順に並べた中央、最頻値は最も多い値です。2,3,3,4,18なら平均6、中央値3、最頻値3で、18が平均を引き上げます。好きな言語など名義尺度のカテゴリには数値的な平均や中央値は適さず、最頻値を使えます。代表値だけでなく分布も見ます。
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相関係数
相関係数は直線的な関係の向きと強さを表し、−1〜1の範囲を取ります。−1に近いほど強い負の相関、1に近いほど強い正の相関です。0に近いから無関係とは限らず、曲線的な関係があることもあります。相関は因果の証明ではなく、第3の変数の影響も考えます。
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クロス集計
クロス集計は2つのカテゴリを組み合わせて度数などを集計する方法です。通学手段と学年などを比べられます。行の割合と列の割合は分母が異なります。2項目に関係が見えても、両方に関係する第3の変数(交絡因子)が背景にある場合があるので、結論を急がないようにします。
重要語句を整理しよう。
| 語句 | 意味 | 混同しやすい点 |
|---|---|---|
| 平均値 | 合計を個数で割った値。 | 極端な値に影響される。 |
| 中央値 | 小さい順に並べた中央の値。 | 偶数個なら中央2値の平均。 |
| 最頻値 | 最も多く現れる値。 | 名義尺度のカテゴリにも使える。 |
| 層別 | 属性などでグループに分けて調べること。 | 全体で隠れる違いを確認。 |
| 相関係数 | 直線的な関係の向きと強さを表す指標。 | 0付近でも非線形の関係がある場合がある。 |
| クロス集計 | 2つの分類を組み合わせて度数などをまとめること。 | 行割合と列割合の分母を区別。 |
| 交絡因子 | 関係の解釈に影響する第3の変数。 | 相関を因果と断定しないために検討する。 |
表が収まらない場合は横にスクロールできます。
WORKED EXAMPLE
一緒に解く:手順と理由を確かめよう。
データ1・2・2・3・12の平均・中央値・最頻値を求めます。
- 合計は20、個数は5なので平均は4です。
- 小さい順で中央は3番目の2です。
- 最も多い値も2です。
- 平均だけなら4ですが、12以外は1〜3に集まることも説明します。
| 指標 | 手順 | 結果 |
|---|---|---|
| 平均 | 20÷5 | 4 |
| 中央値 | 5件の3番目 | 2 |
| 最頻値 | 2が2回 | 2 |
表が収まらない場合は横にスクロールできます。
平均4、中央値2、最頻値2です。中心と分布を併せて伝えましょう。
ここで間違えやすい。
TRY IT YOURSELF
次は、自分の言葉で。
データ1・2・9の平均値と中央値は?
考え方と答えを確かめる
平均4、中央値2です。9という大きな値が平均を引き上げます。
理由まで言えたら、下の代表3問へ進みましょう。
CHECK YOUR UNDERSTANDING
代表3問で、確かめよう。
アプリ収録の問題から3問を選定。章内のすべての項目を出題するものではありません。解答・解説はこのページで確認できます。
解答・解説だけ読む
問1:B
「層別(そうべつ)」とは、名義尺度や順序尺度で記録されたデータの値を基に、データの対象をグループに分けて比較分析することを指します。例えば、風向き別に気温を比較したり、住宅構造別に価格を比較したりすることで、全体集計では見えてこない詳細な傾向や要因を特定することが可能になります。
問2:D
「好きな言語」は名義尺度(質的データ)であり、順序や数値的な意味を持ちません。そのため、合計や順位を前提とする平均値や中央値(第2四分位数)を計算することは不適切です。質的データにおいて、どのカテゴリーが最も支持されているかを示すことができる唯一の代表値は「最頻値」です。尺度水準によって分析手法が制限されることが強調されています。
問3:D
2つの変数に直接的な関係がないにもかかわらず、共通して影響を与える別の変数が存在することで相関があるように見える現象を「見かけの相関」と呼び、その第3の変数を「交絡因子」といいます。ダイヤモンドの価格分析を例に、カットの質と価格の逆転現象が起こる背景に「カラット(重さ)」という交絡因子が影響している可能性が示唆されています。
理解できたら、別の問題でも。
この章の考え方を、条件の違う問題でも確かめましょう。情報1アプリでは分野別の演習と間違えた問題の復習ができます。
無料でアプリを入手 iPhone・iPadはApp Store、AndroidはGoogle Playへ。PCではストアを選べます。運営者が開発するアプリです。各OSの機能と利用条件はストア掲載をご確認ください。説明できたら、この章は完了。
- 「中心と散らばりを一緒に見る」の意味と理由を、具体例で説明できる
- 「分母とグループを確認する」の意味と理由を、具体例で説明できる
- 「関係を原因と言い換えない」の意味と理由を、具体例で説明できる
迷った項目は本文・図解・例題へ戻り、答えを見ずに説明し直してみましょう。
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本サイトの26章は、アプリの分類を用いた補助教材です。検定教科書や公式の章立てではありません。問題と図解は運営者のアプリ教材から選定し、問題ID・選択肢・正答を保持しています。共通テスト過去問の転載ではありません。